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特定非営利活動法人ふわり
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街の中でふわりふわりと考える Vol.28

「自立支援協議会がシャンシャン会に成らぬ方法」


 中学生の時の話。僕は、担任の先生にそそのかされて選挙に立候補。持ち前のプレゼンテーション能力炸裂、ぶっちぎり当選。生徒会長になった。

 その日。僕は生徒会長として、校庭に集まった全校生徒を前に、生徒総会で答弁をしていた。学級委員会を通じて全校から集めた校則などへの意見に、ひとつずつ答えて行った。

 例えば、「土曜日、給食のない日のお弁当に。水とお茶以外のものを水筒に入れて持ってきてもいいか?」という意見に。
 「炭酸飲料などは、健康に良くないし、お金もかかりますので、今まで通り水とお茶で。校則は変わりません!」と大声で、僕が返答を読み上げる。
 ど?っと。不満のため息がもれ。ガ?ヤガ?ヤと全校生徒一斉に、僕への敵意を込めた意見を言い始める。ありとあらゆる罵詈雑言が。聞きたくなくとも聞こえてくる。

 僕は、いちいち反論したい衝動に駆られながらも、先生達に押さえつけられていて、どうせ何も変わらない、この不毛な時間を早く終えた方が賢明だと思っていた。
 誰かが聞いていようといまいと、気にしないという勢いで。次々に、質問と返答を読み上げて行き、無事、会も終わりに近づいた。
ところが。ある質問とその返答を読み上げた時。事件が起こってしまった。

 「え?っと。あっ、靴が白だけしかいけないっていう校則を、最低でもライン入りを認めるか、できれば青などがベースでも認めて欲しいというご意見についてですが!」
 全生徒が願う、重要案件だったので、その瞬間ガ?ヤガ?ヤがピタリとやんだ。緊張が走る。
 「白は、純白。清新の白です。中学生らしい色としてこれ以上の色はありません。近隣の皆さんに中学生らしい清新さを感じて頂くためにも、白い靴だけという校則は変わりません!」
 ど?っと。生徒全員から、この日一番の不満のため息がもれ。ガ?ヤガ?ヤと一斉に、僕への敵意を込めた、意見を越えた悪口が溢れ出した。

 収拾がつかない位の声に、僕が少しひるんで言葉を失っていると、校庭に体育座りの全校生徒の中から、ひとりの男子が突如立ち上がり、僕を指差して口を尖らせながら大声で叫んだ。
 「白しかダメだと言っている生徒会長の履いている靴が、青いじゃんか!」
 ど?っと。どどぉ?っと。怒りの歓声が上がる。皆が口々に僕を罵り始めた。やばい、やられる。

 こういう時は。とにかく怯んじゃダメだと僕はとっさに思った。そして、思い切り息を吸い込んで、あらんばかりの大声で、こう言い放った。
 「やかましい!うちは貧乏だから、親戚のお兄ちゃんのお下がりの靴履くしかねえんだ!お下がりの中に、白がなかったんだよ!」

 そして、間髪入れずに、畳みかける。「生徒総会なんかで、意見出したって!生徒会じゃなくて、先生が回答考えるんだから、校則なんて変わる訳ないだろうが!そんな当たり前の大人のカラクリに気付かずに期待している、お前達がおかしい!」
 ど?っと。というより、えぇ?えと。それ言っちゃお終いよというため息が校庭中に広がった。

 生徒会の担当教員は、とぉえぇだぁ?!という感じで。俺の立場も考えてくれよぉ?という感じで。ちょっと涙目。校長は、顔から毛の薄い頭の先まで。怒りで真っ赤。
 生徒総会という粛々と流れるはずの「儀式」は。少なくともその年、その在り様を根っこから否定され。「校則などへの生徒の不満のガス抜き」という唯一の役割すら果たすことができなかった。

 「自立支援協議会とかけて」「中学校の生徒総会と解く」その心は。「いずれも儀式に過ぎないでしょう・・・」

 最近、障害者自立支援法で始まった、障害者のその街での課題を、話し合ったり解決するという「障害者自立支援協議会」の各地の様子を見ていると。何だかこの「戸枝会長: 生徒総会ブチ切れ事件」が思い出されてならない。

 生徒(住民や障害関係者)は真剣な議論をして意見を出す。生徒会(相談支援センター)は、それを何とか叶えたいと思っている。でも、先生(行政)は、自己保身に走って、「ぶなんにぶなんに」と念仏のように唱え続ける。
 たまに熱心な担当教員(福祉課)がいるとずい分雰囲気が違うけれど。やっぱり権限がある人、校長(首長や議会)が変わらないことには、どうしても儀式で終わってしまうのではないだろうか。

 運動なき地域の自立支援協議会に実効性なし。意見を吸い上げても、何も生活を良くしない会は、より強い不満を生んでいくことになるだろう。さらにその先には。ただ、しらけた「儀式」が続く不毛な世界が待っている。そして、いつか。その在り様すら否定され、誰も集まらなくなるだろう。
 そうならないためにも。今こそ、生徒(住民や障害関係者)が力を結集して、校長(首長や議会)へ運動をし、自立支援協議会を、より強く行政組織内に位置付けてもらうべきだと思う。
 関係者だけでガ?ヤガ?ヤとやっていても、前向きな校則(街の福祉環境)変更はないのだから。

戸枝 陽基



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