>団体案内 >お問い合わせ >サイトマップ
どんなに生きにくさを抱えても、
住みたい場所で愛する人とずっとふつうに暮らし続けることができる街づくりを目指す。
特定非営利活動法人ふわり
HOMEへ

ふわりグループのめざす いかだ型まちづくり

「ふわり」ムーブメント発祥の地、愛知県知多地域には、
ふわり以外にも多種多様な福祉系市民活動が存在しています。

そして、それらが、「NPO 法人地域福祉サポートちた
を中核として、緩やかなネットワーク組織としてお互いを生かし合っています。

ひとりひとりが生きている限り大切にされ、自分なりの役割を持っている地域づくり。
そんな人の輪がどんどん広がっていく知多地域の秘密はどこに?

今回の特集は、10 周年を迎えた、サポートちたの記念誌から、
その理念的展開を皆さんに紹介します!




知多半島は福祉系コミュニティビジネスの先進地


 知多半島は選択肢がものすごく多い。身近なところで自分に合ったサービスを選べるのは本当に有り難い」。こんな言葉をよく聞きます。
 人口約60万人を擁する知多半島は、5市5町(半田市・常滑市・東海市・大府市・知多市・阿久比町・東浦町・南知多町・美浜町・武豊町)から構成されています。この半島にある福祉系コミュニティビジネスは緩やかなネットワークを組んでいます。
 いずれの団体も国の制度に乗っかった事業(高齢者向けの介護保険事業や障害福祉サービスなど)だけではなく、独自に会員同士の助け合い活動をしていることです。ここに大きな特徴があります。
 「知多半島は福祉系コミュニティビジネスの先進地である」と言われるのは、少数の福祉系コミュニティビジネス(以下福祉系CB)だけで完結していないからです。具体的にいえば、
―け合い活動を展開している福祉系CBが知多半島の中にいくつも点在していること、そして
△修譴蕕涼賃里人材育成および情報交換のために緩やかなネットワークを組んでいること、さらに
そのネットワークが、他から管理されることなく一つの生き物のように進化・増殖を続けている───これが知多半島型福祉モデルの特徴だといえます。


知多半島型福祉モデルとは 〈まちづくり型福祉〉


 では、そもそも知多半島型福祉モデルとは何なんでしょうか? それは<まちづくり型福祉>であると表現できます。
 <まちづくり型福祉>という言葉は、「ハードの福祉」から「ソフトの福祉」へという流れの中から必然的に生まれてきた概念です。「施設の中ではなく町の中で普通に暮らしたい。そのための支援システムをつくってほしい」という願いに応えて生まれた概念です。
 「町の中で普通に暮らしたい」という声に応えていくためには、福祉系CBという拠点を身近な地域にたくさん作っていく必要があります。だとすれば、大きな点を作る必要はありません、ある程度の規模を持った点を地域ごとにたくさんつくっていけばいい、また、必ずしも一つひとつの点がすべての機能を持つ必要はなく、近くの点同士が資源と人のやりとりができるように点同士がつながっていけばよいのです。
 ともすればネットワークは固定的なものになりがちです。社会を変える力を持ち続けようとするのなら、それでは駄目です。閉じたネットワークではなく開いたネットワーク、静的なネットワークではなく動的なネットワーク、一様なネットワークではなく多様なネットワークであるべきでしょう。


 では、もう少し詳しく<まちづくり型福祉サービス>について見てみましょう。その特徴は三つのキーワードで説明できます

キーワード1 助け合い


 一つ目のキーワードは「助け合い」です。これは、「助け合いの精神」をみんなが持ちましょうという精神論ではなく、「助け合いの精神」を具現化したサービスを地域に広げていこうというメッセージです。
 たとえば、福祉サービスを提供する事業所は二つに分類できます。一つは制度にのっとったサービスだけを提供する事業所、もう一つは制度事業だけでなく「助け合い事業」をするCBです。「助け合い事業」とは相互扶助の精神に基づく会員同士の助け合い活動を支援する事業で、制度では対応できない家事援助や子育て支援、レスパイト事業などの活動をさします。
 「公益の増進に寄与する」というNPO法人や社会福祉法人の精神から見たとき、福祉系NPOにとって助け合い事業は必須ではないでしょうか。なぜならば、「助ける─助けられる」という関係は人と人をつなぐ原点であるからです。「困ったときはお互い様」──助け合い活動を広げていくことは支援の輪を広げていくこと、それはかつては地域の中に当たり前にあった「人と人とのつながり」を取りしていくことです。

キーワード2 三方よし


 二つ目のキーワードは「三方よし」です。これは、江戸時代の近江商人の経営理念であり、「売手よし!買手よし! 世間によし!」を言い表したものです。簡単に説明しましょう。
 商売をするからには儲からねばなりません。これが「売り手よし」です。また、お客さんにも喜んでもらわなければなりません。これが「買い手よし」です。さらに、その商売が地域の発展につながらなければなりません。これが「世間よし」です。「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」の三つが揃って「三方よし」となります。
 福祉系CBの事業運営を考える際にも、この「三方よし」の理念は非常に大切です。
 障害者や高齢者の人たちが、自分の希望する暮らしを実現できるというのが「買い手よし」を意味します。「売り手よし」とは、そこで働く人たちが経済的に安定した生活を送ることができること、仕事を通じて自己実現を果たせることです。そして、事業所の活動が、豊かな地域社会を作っていくことにそのままつながっていることが「世間よし」の意味です。


 「三方よし」の考え方を図1にまとめてみました。では、そもそも 「三方よし」という考え方はなぜ重要なのでしょうか。それは、特定の誰かだけが良いという仕組みでは長続きがしないからです。持続可能な福祉社会を作っていくためには、みんなが一緒に良くなるような仕組みが必須です。自分からみんなへとシフトチェンジしていく。これは、地域に対する責任のみならず、未来に対する責任を果たすこともあります。
 持続可能な仕組みをスムーズに動事です。図1をもう一度見てください。
 出発点は利用者の望むような多様なサービスを提供しようということです。これによって、利用者の家族はゆとりをもった生活を取り戻すことができ、多様な生き方を選択できるようになります。
 多様なサービスを提供しようとすると、そこに多様な働き方が生まれてきます。多様な働き方ができる人材を集めるには、多様な人材を地域から集め、彼ら彼女らを育成していく必要があります。町の中で人が動き始め、交流の渦が生まれます。地域に新しい雇用の場が次々と生まれてきます。
 人だけではありません。資源にも目を向けてみましょう。ソフト型の福祉の場合、お金をできるだけかけずに、地域で眠っている多様な資源を活用してやりくりしようと考えます。
 このように、多様性という視点で人や資源を洗い出してみると、そこに新しいつながりの可能性が開けてきます。

キーワード3 御縁から志縁へ


 三つ目のキーワードは「御縁から志縁へ」です。これは、「三方よしの理念」や「助け合いの精神」をどのようなに育んでいくのかという方法論です。「言うは易く行うは難し」とはよく言われることです。方法論のない理想論は空論でしかありません。
 理想を実現していくための方法論の一つが体験の場を作っていくこと。百聞は一見にしかず。意識を変えるのは体験しかありません。理屈ではなかなか意識を変えることはできません。
 御縁が生まれるような出会いの場所をつくること、御縁が志縁に変わるような学び合い、育て合い、高め合う場所をつくること、そこから変える力や創る力が芽生え、支え合う関係を創り出す事業が生まれていく──こんな仕掛けを打ち出していくのが大きな使命です。「ハードの福祉」の要がお金(建物)だとすれば、「ソフトの福祉」の要は人です。しかし、だからといって、ひとりの人間にできることは限られています。ひとりでは何もできません。同士や仲間を集めて「人の石垣」をつくる必要があります。そこから「私たちにもできるかも」「じゃあ一緒にやろう」という声が自然に出てきます。1 人ひとりの持っている知恵とエネルギーが単なる足し算ではなくかけ算されていきます。複数の部分的な相互作用が複雑に絡み合うことで予想を超えた動きが生まれてきます。これを「創発効果」といいます。人間1人ひとりの力を信頼するソフト型福祉の面白いところです。
 
 以上、述べてきたことをまとめてみましょう。知多半島型福祉とは「助け合い」「三方良し」「御縁から志縁へ」をキーワードに、支援を必要としている市民の多様なニーズに合わせて、多様なサービスを提供できるような支援の網の目を、地域で暮らす市民が主体となって身近なところに作っていこうという「まちづくり型の福祉」です。


豪華客船型vsイカダ連隊型


 <まちづくり型福祉>という考え方は、「ハードの福祉」から「ソフトの福祉」へという流れに沿って生まれてきた概念です。「ハードの福祉」とは豪華客船型、「ソフトの福祉」とはイカダ連隊型に例えることができます。
 まずは、豪華客船型の福祉サービスをイメージしてみましょう。豪華客船を建造するには莫大な費用が必要です。そのため、常に需要が供給を上回るような状態で、豪華客船に乗りたくても乗れない人がたくさん出てきます。
 運良く乗船できたとしても船内のルールは厳格かつ画一的で、息苦しさを感じる人も少なくありません。だからといって、移動できる船は近くに見当たりません。仕方なく船内で我慢しながら時を過ごすことになります。
 エンジンを動かす燃料はもっぱら外部から調達しなければなりません。そのために多くの費用が恒常的に必要になってきます。燃料を購入するための費用が途絶えたらどうなるでしょうか? エンジンは止まり、船は大海原で立ち往生することになります。
 豪華客船はひたすら決められた航路を走ります。小回りが効かないので、前方に障害物を発見してもそれを避けることできません。豪華客船は孤立していますから、海の中以外に逃げ場所はありません。障害物にぶつかって、船もろとも海の藻屑になってしまいます。

 次にイカダ連隊型福祉サービスをイメージしてみましょう。豪華客船と違って、イカダを作るための費用はそれほどかかりません。身近なところにある資源を上手に生かせばよいからです。また、市民が自前で豪華客船を作ることはできませんが、イカダならば可能です。
 地域の現状を見ていて、イカダが必要だと思う人がイカダを作ればいいだけの話ですから、ほぼ需要と供給は一致します。地域の現状にあったイカダですから、そのイカダは多種多様なものとなるでしょう。
 動力は風力と手こぎですから、ランニングコストはほとんどかかりません。よって、豪華客船のように大海原で停まってしまうことはありません。
 利用者として乗り込んだ乗客も船をこいだり、作業をこなします。その人も持っている能力に合わせて役割を果たすことができます。また、豪華客船のように役割がきっちりと固定していません。その人のライフサイクルに合わせて、ボランティアからヘルパーに、ヘルパーからスタッフに、そしてスタッフから利用者にというように役割が変化していくことだってあります。
 航路は自由自在、その上に小回りが効きますから、前方に障害物があったとしてもその障害物を楽々とよけて走ることができます。運悪く座礁しそうになっても、隣のイカダに移れば良いだけの話です。
 もちろんイカダそれぞれのルールや雰囲気があります。しかし、多種多様のイカダが連隊を組んでいるので、自分が自分らしく生きられるイカダを見つけることが可能です。働く人にとっても同様です。自分に合った職場を見つける可能性が大きいです。

  豪華客船型福祉とイカダの連隊型福祉──前者がお金で安心を買うことスタイルだとすれば、後者は、人と人とのつながりを取り戻し、支え合って生きていくことができる仕組みを作っていくことで安心を培っていくスタイルです。どちらが現実的な方法でしょうか? どちらが楽しいでしょうか?


知多モデルを全国へ!


 今さら言うまでもなく、超少子高齢社会が到来しています。年少・生産年齢人口が減り続けている一方で、高齢者人口は急激に増えています。今後、福祉需要は高まっていくにも関わらず、社会保障にまわせる費用は、生産年齢人口の減少により低下していくことが予想できます。
 こういう事態に私たちはどう向き合っていったらいいのでしょうか? 「大規模な施設をどんどんつくるべきだ」と言う人もいます。しかし、北欧のように「高負担高福祉」という路線でいくという合意が日本においてなされる可能性はほとんどありませんので、とても無理な話です。また、施設の建設する初期費用や建物を維持していくコストを考えると必ずしも経済効率の高い仕組みではありません。さらに「高齢の人も若者も、障害を持った人もそうでない人も、すべて人間として普通(ノーマル)の生活を送るため、共に地域で暮らし、共に生きる社会こそノーマルである」というノーマライゼーションの考え方に合致しません。
 「家族で介護するしかない」と言う人もいるでしょう。しかしながら、核家族化が進む現状においては、必要な介護を家族だけに求めようとしても無理であることは明らかです。さらに、2015 年には一人暮らしの高齢者が高齢世帯全体の3 割を超えると推計されていることを考えると、現実的な考え方ではありません。
 ではいったい全体どうしたらいいのでしょうか?自助、共助、公助をバランスさせていくしかないでしょう。そして、その三つの中で圧倒的に不足している共助の部分、すなわち地域支援の輪を広げていくしかありません。
 ここで暮らし続けたい、ここで暮らし続けられる──そう思える「自分たちのまち」を仲間と一緒に作ってみませんか。まずは共感する仲間を2、3人集めましょう。そこからさらに仲間の輪を広げていきます。得意なことを持ち寄り、事業の土台を作っていきましょう。成果を急がない、諦めない、やり続けることが大切です。


一つ前のページへ戻る
FirstUpload 10/03/09-17:22
LastUpdate 10/03/14-23:59


ふわりってどんなとこ >ふわりの取組を知ろう >ふわりの活動予定 >ふわりの活動レポート >ふわりに参加しよう

Copyright © NonProfit Organization FUWARI All Rights Reserved.
Script by Petit CMS